コンクリート打継ぎ面処理剤 ジョイントエースJA-40

はじめに

ジョイントエースは超微粒子アクリルポリマーエマルションを主成分としたコンクリート打継ぎ面処理剤です。コンクリート打設直後に散布することにより、高い付着性能を持つポリマーコンクリートを形成しますので、打継ぎ面の耐久性を向上させます。

  • コンクリートの打継ぎ面に散布するだけで、レイタンス処理(グリーンカット)工法と同等以上の打継ぎ性能(曲げ強度・耐久性・水密性)が得られます。
  • 新コンクリートの打設前処理が不要で、スラッジ水等の副産物が発生しません。
  • 現場において安定した打継ぎ性能が出ます(ヒューマンエラーが出ません)。
  • 鉄筋との付着性を阻害しませんから、鉄筋密度の高い箇所でも使用可能です。

打継ぎ機構

従来のエマルジョン塗布工法とジョイントエースの打継ぎ機構の比較図。ジョイントエースは、旧コンクリートに対するアンカー効果、レイタンス層の樹脂改質効果、新コンクリートとのキレート効果を発揮する。

1.旧コンクリートへのアンカー効果

ジョイントエースは高電解質濃度、高pHの条件下でも化学的に安定であり、さらにその粒子径が100nm以下と極めて小さいことから、従来のエマルジョン塗布工法と比較して、まだ固まらないコンクリート中へ深く浸透することができます。

2.レイタンス層の樹脂改質効果

浸透したジョイントエースは一度乾燥することで、ポリマー粒子どうしの融着現象が進み、レイタンス層を樹脂改質します。

3.新コンクリートとのキレート効果

ジョイントエースにより改質されたレイタンス層は、新コンクリートのセメント中のカルシウムイオンと化学的に結合(キレート結合)するため、高い打ち継ぎ性能が得られます。

打継ぎ性能

一体化性が低い打継ぎ面の場合、コンクリートの劣化因子が急速に浸透することが懸念されため、打継ぎ面の耐久性について、①曲げ強度試験、②中性化促進試験を行った。

打継ぎ性能試験の工程図。旧コンクリートを高さ600mmで打設し、打継ぎ面処理を施した後、新コンクリートを上部に打設。最後に曲げ強度試験で打継ぎ面の耐久性を評価する。

打ち継ぎ部の曲げ強度比

  • 打ち継ぎ部の曲げ強度比(打継ぎ間隔24時間)の折れ線グラフ。ジョイントエースが全ての材齢で高い強度比を示し、レイタンス処理が中程度、無処理が最も低い値を示す。

  • 打ち継ぎ部の曲げ強度比(打継ぎ間隔1週間)の折れ線グラフ。ジョイントエースは強度比が高く、レイタンス処理は中程度、無処理は全体的に低い傾向。時間経過による差が顕著に表れている。

耐久性(耐中性化)

  • 打継ぎ部分の中性化深さ(促進材齢28日)の比較グラフ。無処理が最も深く、レイタンス処理が中程度、ジョイントエースが最も浅く、優れた耐中性化性能を示している。

    図-3 打継ぎ部分の中性化深さ
    (促進材齢:28日)

  • 打継ぎ部分の中性化状況を示す断面写真。フェノールフタレインによる着色で中性化範囲を可視化。ジョイントエースは中性化領域が最も小さく、無処理は最も大きい。

    写真-1 打継ぎ部分の中性化状況

水密性

  • レイタンス処理を施したコンクリート試験体の接合面に、明確な隙間が確認され、水密性が低い状態を示す。

    レイタンス処理

  • ジョイントエースJA-40を使用したコンクリート試験体の接合面は密着しており、水の侵入が見られず高い水密性を示している。

    ジョイントエースJA-40使用

標準的な使用方法

旧コンクリート打設 ジョイントエース散布(ブリーディング終了時) 新コンクリート打設
型枠内に旧コンクリートを打設している作業の様子。作業員が打設中のコンクリートを確認している。 ブリーディング終了後の旧コンクリート表面に、ジョイントエース原液を均等に散布している様子。散布量は200〜400g/㎡。 ジョイントエースを散布した後、型枠に新コンクリートを打設し、作業員が表面を均し仕上げている様子。
- ジョイントエース原液を200~400g/m2刷毛、
ジョーロ等で塗布・散布してください。
-

性状

項目 規格
外観(25℃、原液) 乳白色液体
pH(25℃、原液) 7.0 ~ 9.0
粘度(25℃、原液) 10 ~ 200mPa s
比重(25℃、原液) 1.03 ~ 1.07

荷姿

  • 18kg石油缶

注意事項

  1. 粉体の多い配合、あるいは、ノンブリーディングコンクリートでは、ジョイントエースの浸透力が低下する場合がありますので、事前に確認の上、使用してください
  2. 強風や直射日光等の気候条件等により、翌日のコンクリート表面に生膜が確認された場合は直ちに膜を除去し、その部分にジョイントエースを再散布してください
  • 当ページに記載の内容は、技術的改良などにより予告なく変更する場合があります。
  • 当ページに記載の内容は十分検討の上でのものですが、実際の生産現場でご使用いただく折は、ご需要家各位の実情に即した入念な検討吟味の上、ご使用ください。
  • これらのデータを使用して得た結果及び特許上の問題については、その責を負いかねますので、ご承知おき下さい。
  • ご使用に当たっては、SDSをご参照下さい