ゴム加工性改善技術 シリカ分散剤
はじめに
タイヤは一般的に、天然ゴムや合成ゴムに補強フィラーや加工助剤、加硫剤などの様々な配合剤を混練し、加硫(硬化)、成形することで製造されます。近年、タイヤの低燃費性能や濡れた路面に対するグリップ性向上を目的に、補強フィラーとしてシリカ(ホワイトカーボン)の導入が進んでいます。

代表的な加工助剤
シリカ表面には親水性の官能基(Si-OH)が存在し、疎水性のゴム中では分散しにくく、混練時の粘度が上昇し加工性が低下します。このような問題を改善するため、加工助剤が用いられる場合があります。代表的な加工助剤として、金属石鹸が知られています。金属石鹸はゴムの流動性を向上させ、混練をサポートする役割を果たします。しかし、シリカの分散性を改善する点では限界があります。
アルキルアミンのシリカ分散剤としての応用
分子中にアルキル鎖(炭化水素基)とアミノ基(-NR2)を有するアルキルアミンは、ゴム中でのシリカの分散を促進する加工助剤(シリカ分散剤)として適しています。アルキルアミンは、そのアミノ基がシリカに対して強い吸着性を示します。また、アルキル鎖がゴムとの親和性を示すため、シリカとポリマーの相溶性を改善する可能性を秘めています。
当社では、加工助剤として適したアルキルアミン誘導体を選定し、シリカ分散剤の開発を進めています。当社シリカ分散剤は、ゴムの加工性と生産性の改善に貢献します。

