JIS A 6204適合品 パック型流動化剤 レオパックGシリーズ
レオパックとは?
従来より流動化剤(高性能減水剤を後添加して、コンクリートの流動性を向上させる混和剤)は、コンクリートの単位水量規制(JASS 5)の順守、耐久性の向上、施工性の改善などを目的に使用されてきました。
しかし、液体流動化剤を使用する場合、投入管理を行う専門技術者が全ての建設現場に対応できるほどおりません。
そこで混和剤メーカーは高性能AE減水剤を開発しましたが、流動化剤よりコスト高になることが難点とされています。
そこでライオン株式会社では、液体流動化剤のデメリットをクリアした後添加用パック型高性能減水剤「レオパックシリーズ』を開発いたしました。高性能AE減水剤と同等の減水効果およびスランプ保持効果を持ちながら、高性能AE減水剤と比較して低コスト。しかも投入専門技術者でなくても、建築・土木の技術者なら誰でもカンタンに使用できるパック型を採用しています。後添加はもちろん、プラント添加も可能なため、高性能AE減水剤の代替としてご活用いただけます。
レオパックの特徴
1.パックのまま使用できる。
適量の粉体高性能減水剤をコンクリート中で解砕する独自シートでパックしてあるため、現場で流動化剤を計量する必要はなく、パックのまま生コン車に投入することができます。また、パックの個数でスランプ調整がカンタンに行えるので、投入専門技術者がいなくても、建築・土木の技術者なら誰でも使用できます。カンタン、軽量、コンパクトがレオパックシリーズのメリットです。
投入数をパックの個数で管理することは、JASS-5で認められており、また、JIS A 6204コンクリート用化学混和剤の流動化剤規準に適合しております。
コンクリート性能(建材試験センター)
項目 | G-100 | JIS A 6204 (標準形)の規格値 |
|
---|---|---|---|
ブリージング量の差(cm3/cm2) | 0.02 | 0.1以下 | |
凝結時間の差(分) | 始発 | +55 | -60~+90 |
終結 | +45 | -60~+90 | |
スランプの経時(15分間)低下量(cm) | 2.0 | 4.0以下 | |
空気量の経時(15分間)低下量(%) | -0.3 | ±1.0以下 | |
圧縮強度比(%) | 材齢7日 | 103 | 90以上 |
材齢28日 | 104 | 90以上 | |
長さ変化(%) | 95 | 120以下 | |
凍結融解に対する抵抗性(%) (相対動弾性係数比) |
92 | 60以上 | |
総塩化物イオン量(kg/m3) | 0.00 | 0.02以下 | |
総アルカリ量(kg/m3) | 0.02 | 0.30以下 | |
試験成績書 | VB230277 |
項目 | G-200 | JIS A 6204 (遅延形)の規格値 |
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---|---|---|---|
ブリージング量の差(cm3/cm2) | 0.05 | 0.2以下 | |
凝結時間の差(分) | 始発 | +90 | +60~+210 |
終結 | +75 | +210以下 | |
スランプの経時(15分間)低下量(cm) | -0.5 | 4.0以下 | |
空気量の経時(15分間)低下量(%) | -0.3 | 1.0以下 | |
圧縮強度比(%) | 材齢7日 | 102 | 90以上 |
材齢28日 | 101 | 90以上 | |
長さ変化(%) | 109 | 120以下 | |
凍結融解に対する抵抗性(%) (相対動弾性係数比) |
95 | 60以上 | |
総塩化物イオン量(kg/m3) | 0.00 | 0/02以下 | |
総アルカリ量(kg/m3) | 0.01 | 0.30以下 | |
試験成績書 | VB230278 |
2.水セメント比を変化させない
水分を含まない粉体高性能減水剤を使用していますので、薬剤添加による持ち込み水がなく、予め設計されている水セメント比を変化させることなく流動化が可能です。
3.ベース混和剤の影響を受けにくい
近年主流となりつつあるポリカルボン酸エーテル系高性能AE減水剤や、高機能型AE減水剤と併用しても影響を受けにくい為、高温時や時間経過による高性能AE減水剤コンクリートのスランプ回復用途にも利用できます。
4.流動性を長時間キープ
界面活性剤の働きにより、スランプロスの原因であるセメント粒子の凝集を抑制するため、長時間流動性を保持します。
種類と用途
商品名 | 形 | 投入場所 | 適用 | 用途 |
---|---|---|---|---|
レオパックG-100 | 標準 | 現場(プラント) | 土木 建築 二次製品 |
|
レオパックG-200 | 遅延 |
成分と物性
主成分 | Clイオン量(%) | 嵩比重 | 外観 |
---|---|---|---|
ポリカルボン酸エーテル | 0.05以下 | 0.5~0.6 | 白色粉体 |
使用量と使用方法
「レオパックシリーズ」の投入個数(N個/生コン車)は、以下の式で求めます。小数点以下は四捨五入してください。但し、筒先の作業性を考えると切り上げがベターです(戸建て住宅用のレオパック小型シリーズはこちらをご参照下さい)。
使用量(パック)=0.00010×C×S×V×Ft÷0.235
C:セメント量(270kg/m3以上)、S:スランプ差(cm)、V:生コン積載量(m3)
Ft:温度補正係数(外気温 10℃:1.2、20℃:1.0)
夏季、温度が高くスランプロスが著しい時は1~2個多めに投入してください。
冬季、気温が低い時は、流動化剤分子がセメントに吸着する速度が遅くなるため、スランプが増大しにくいことがあります。その際には1~2個多めに投入してください。
JIS規格によるとベースコンクリートのスランプは±2.5cmの幅があります。ベースの振れに従って投入量を加減してください。
- 生コンのスランプが硬めで到着した場合…基本投入量+1パック
- 生コンのスランプが柔めで到着した場合…基本投入量-1パック
柔めで到着した場合も、配筋が混んでいるなど打設が困難な場合は基本投入量の投入をお勧めします。レオパックは水を含んでいませんので、流動性は増加しても強度に影響はありません。
レオパック投入の際には生コン車のアジテータを2分間高速撹拌してください。レオパック内部の粉体は通常の流動化剤添加後の撹拌でコンクリート中に均一に分散します。尚、投入される方は必ず時計を用意してください。
レオパック投入の際はなるべく生コン車の奥の方へ投入してください。生コン車の停車する場所の傾斜による影響を受けずに済みます。
レオパックは約1時間のスランプ保持性能がありますが、生コン車の待ち時間がある程度長くなりそうな時は、先に投入する事をお勧めします。生コンプラントに返す必要がなくなり、経費削減に役立ちます。
万が一打設に時間がかかりスランプが低下した際は更にレオパックを数パック投入し、高速撹拌(2分間)することで、目標スランプを再現できます。その際、コンクリートの空気量、強度などは何ら影響ありません。
午前中の最後の生コン車には基本投入量より1パック多めに投入することをお勧めします。午後の打設とのつなぎがうまく行きます。
打設予定日の2日前14:00迄にレオパックの納入が可能な様にご注文ください。尚、注文はケース単位にて承ります(安全を見て最低必要量の2割増程度の数量をご注文ください)。
荷姿
粒子径40~80µのポリカルボン酸エーテル系化合物を主成分とする微粉末をコンクリート中で解砕する独自シートでパッキングしてあります。
商品名 | g/パック | パック/箱 | 荷姿(写真) |
---|---|---|---|
G-100 | 235 | 30 | |
G-200 |
各混和剤の長所・短所
項目 | 高性能AE減水剤 | 液体流動化剤 | レオパック |
---|---|---|---|
要員 | [↑]プラント添加のため要員がいらない。 | [↓]専門的知識を持った技術者が必要。 | [↑]誰でも投入可能(技術者の派遣も可能) |
責任分担 | [↑]荷下ろしまでは生コンプラントの責任。ポンプ圧送時より施工者の責任。 | [↓]流動化剤投入後は施工者の責任。 | [↓]流動化剤投入後は施工者の責任。 |
使用性 | [↑]プラント添加のため現場での管理項目が増えない。 [↓]逆に現場でスランプ管理を行いたくてもできない。(特に夏場の長距離輸送の場合) |
[↑]現場でのスランプ管理が可能。 [↓]現場添加のため現場での管理項目が増える。 [↓]ドラム缶での納入になるため、現場に山積み。 [↓]ドラム缶の後始末は必要。 |
[↑]現場でのスランプ管理が可能。 [↑]水分を除去してあるため、軽量、コンパクト。場所をとらない。 [↑]粉体のため、腐敗、凍結、沈殿等の問題がない。 [↓]現場添加のため現場での管理項目が増える。 |
近隣対策 | [↑]不要(但し、高性能AE減水剤でも荷下ろし前に30秒の撹拌は義務づけられている。) | [↓]現場添加のため近隣への騒音対策が必要。 | [↓]現場添加のため近隣への騒音対策が必要。 |
性能 | [↑]約20%の高減水が可能。 [↑]混練り後のスランプ保持時間が長い。 [↑]生コン混練り時に同時添加されるため、剤の中に含まれている水分を単位水量から予め引いておける。そのためW/Cが変化しない。 [↓]混練り後、効果が現れるまでの時間にばらつきがある。 [↓]分散効果が大きく、敏感すぎる。 |
[↑]約20%の高減水が可能。(AE減水剤+流動化剤) [↑]投入後、ただちに効果が現れる。 [↑]単位セメント量が270kg/m3以上で使用可能。 [↑]AE減水剤との併用になるため汎用性がある。 [↓]投入後のスランプ保持時間が短く、施工を急ぐ必要がある。 [↓]添加量が増えると空気量が急激に増える剤がある。 [↓]20~30%の水溶液で使用されるため、W/Cが変化して圧縮強度が低下する。 [↓]過剰添加により骨材分離が起きる。(専門技術者が必要) |
[↑]約20%の高減水が可能(AE減水剤+流動化剤) [↑]投入後のスランプ保持時間が長く、施工計画に余裕が持てる。 [↑]投入後、ただちに効果が得られる。単位セメント量が270kg/m3以上で使用可能。 [↑]空気量を変動させにくい。 [↑]AE減水剤との併用になるため汎用性がある。 [↑]有効成分が100%のため、W/Cが変化しない。(水分を供給しない) [↑]過剰添加による骨材分離が起きにくい。 [↓]故に過剰添加してコストアップになる恐れがある。 |
注意事項
流動化効果や流動化後の経時変化は、使用材料、配(調)合、添加方法、添加量、添加時期、添加後の撹拌方法と時間、コンクリート温度および積載量の影響を受けますので、事前に試験練りや生コン車で十分検討してください。
パックのまま生コン車のアジテータに投入してください。また、投入後は2分間高速撹拌してください。
- 当ページに記載の内容は、技術的改良などにより予告なく変更する場合があります。
- 当ページに記載の内容は十分検討の上でのものですが、実際の生産現場でご使用いただく折は、ご需要家各位の実情に即した入念な検討吟味の上、ご使用ください。
- これらのデータを使用して得た結果及び特許上の問題については、その責を負いかねますので、ご承知おき下さい。
- ご使用に当たっては、SDSをご参照下さい。