紙用蛍消剤 OP-603

紙は、その表面をより白く見せることを目的として蛍光増白剤処理することがありますが、損紙の再利用や古紙の併用等、その蛍光増白作用が不要の場合も多々あります。弊社では、その不要の蛍光増白作用を除去する蛍光抑制剤としてOP-600を開発・上市してまいりましたが、さらに鋭意検討を重ね、この度その高性能化品「OP-603」を開発いたしました。本品は蛍光増白剤を含む原料の蛍光抑制に適しています。

また、蛍光物質で汚染された抄紙機や原料調製装置の速やかな洗浄、蛍光増白紙からの蛍光剤を含んではならない種類の紙への生産切替時にも有用です。

OP-603の一般性状

外観 褐色透明液体
イオン性 カチオン
比重 1.2
pH 中性〜弱酸性
溶解性 冷水に溶解

OP-603の蛍消性能

蛍光抑制性能試験

蛍光紙への添加実験

性能試験方法

テストピース作製条件
使用パルプ 蛍光紙、またはバージンパルプ(蛍光増白剤未配合紙)
パルプ配合割合 1蛍光紙 100%
2蛍光紙 バージンパルプ=1:4
(バージンパルプ中に蛍光紙が混入した場合を想定)
パルプ濃度 1.0%
硫酸バンド添加量 5%(対パルプ)
解繊方法 家庭用ミキサー
蛍消剤添加量 任意(0.25%、0.5%、1%、10%)

評価方法

色差計による蛍光強度測定
測定機器 測色色差計(日本電色工業(株)製)
測定項目 Z1(可視光+紫外光を照射時の反射強度)
2(460nm紫外線吸収フィルター使用時の反射強度:可視光のみ照射)
ΔZ(蛍光強度)=Z1-Z2(460nm紫外線照射時の反射強度を算出)

結果

蛍光紙100%に対する蛍消性

バージンパルプ中に系更新が混入した時の蛍消性

以上のごとく、OP-603は弊社先行品(OP-600)、他社品に比し、良好な蛍消効果を有しています。

浴中pHと蛍消性の関係

性能試験方法

使用パルプ 蛍光紙 100%
パルプ濃度 1.0%
蛍消剤添加量 原液1%
pH調整剤 硫酸バンド、苛性カリ水溶液

結果

浴中pHと蛍消性の関係

OP-603は、他2品と同様に浴中pHがアルカリサイドでは蛍消効果が低下しますので、酸性サイドでの仕様を好適とします。

荷姿

20kg 石油缶・1tコンテナ

備考

適応範囲

  • 蛍光増白紙を抄紙した後の紙替え
  • 蛍光染料含有の古紙回収パルプの蛍光中和

本品は蛍光増白剤へ作用し、コンプレックスを形成して蛍光作用を消すものです。蛍光増白剤の分解剤ではありませんので、適用する紙の用途にはご注意下さい。

ご注意

本製品をお取り扱いされる場合には、必ず製品安全データシート(SDS)をご参照の上、充分に注意してお取り扱い・ご使用下さる様お願い申し上げます。 また、ここに収録しました資料は、細心の注意を払って行った試験に基づくものですが、実際のご使用における条件は多岐にわたりますので、個々の最適処方は御社で充分にご検討下さい。