非イオン性高融点ポリエチレンエマルション エポノール900
エポノール900は、綿・レーヨン・綿混などの樹脂加工織物の風合い調整、引裂強度向上、摩耗強度の改善及び、ニット製品の可縫性の向上、更には、糸(チーズや綛)の糊付性の向上、平滑性向上、解舒抵抗の低下など多くの目的に利用できる加工剤です。
エポノール900は、完全な非イオン性の高融点ポリエチレンエマルションで、市販従来品のように、アニオン性を内在していませんから、各種の薬剤との併用性に優れ、各種の機能性加工や差別化加工に効率よく応用できます。
また、エポノール900は、従来のポリエチレンエマルションと異なり、樹脂加工に併用しても綿・レーヨンなどのセルロース繊維の吸水性を阻害しません。
一般的性状
外観 | 乳白色液体 |
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イオン性 | ノニオン |
pH | 中性〜弱酸性 |
比重 | 1.00(25℃) |
溶解性 | 水に易溶 |
特徴
- エポノール900は綿・ポリエステル/綿・愛織等のニット製品の縫製時の地糸切れを防止し、可縫性を向上させます。
- エポノール900は、綿・綿混・レーヨン・レーヨン混等の樹脂加工時に併用すると、引裂強度の低下を防止し、耐摩耗性を向上させます。
- エポノール900は、セルロース系繊維の旧う異性の阻害が小さく、特に、樹脂併用時にも吸水性の阻害はほとんどありません。
- エポノール900は非イオン性ですから、アニオン系。カチオン系や無機塩などの各種薬剤との併用制・安定性に優れています。
- エポノール900は、低起泡性で、加工時の泡によるトラブルを起こさず、作業性に優れています。
性能試験
可縫性試験
処理条件
試験布 | 綿ニットフライス編み |
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処理 | 各%soln. 1dip1nip絞り率80% 乾燥100℃×2分 セット160℃×2分 |
評価方法
空縫い法 | 4枚重ね縫い |
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縫い目数 | 2,400目 |
縫いピッチ | 12目/インチ |
縫い針 | #11オルガン針 |
評価 | 2,3枚めについて、糸切れ個数を測定し。糸切れ個数が少ないほど、良好と判定。 糸切れ率(%)=糸切れ個数/縫い目×100 |
評価方法
使用量 | エボノール900 | 水処理 | 0.5 | 1.0 | 2.0 | ||||||
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弊社品800 | 0.5 | 1.0 | 2.0 | ||||||||
他社品H | 0.5 | 1.0 | 2.0 | ||||||||
糸切れ率(%) | 8.5 | 0.8 | 0.3 | 0.1 | 0.8 | 0.3 | 0.1 | 0.9 | 0.3 | 0.1 |
引裂強度向上と吸水性試験
処理方法
試験布 | ポリエチレン/綿ブロード |
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処理 | 各%soln. 1dip1nip絞り率80% 乾燥100℃×2分 セット160℃×2分 |
評価方法
浴安定 | 浴調整後の状態を目視にて観察。 ○・・・浴変化なく安定 |
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引裂強度 | JIS L-1096 D法(ペンジュラム法) |
吸水性 | JIS L-1096 B法(バイレック法) |
選択条件 | JIS L-0217 103法 |
結果
Sumitex Resin NS-19 | 水処理 | 7 | 7 | 7 | 7 | 7 | 7 | 7 | |
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Sumitex Accel. X-89 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | ||
エポノール900 | 1 | 2 | |||||||
弊社品800 | 1 | 2 | |||||||
他社品H | 1 | 2 | |||||||
浴安定性 | - | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
引裂強度 (g) |
たて糸 | 1220 | 1050 | 1700 | 1700 | 1800 | 1680 | 1680 | 1800 |
よこ糸 | 750 | 620 | 1150 | 1200 | 1170 | 1200 | 1150 | 1250 | |
吸水性 (mm) |
処理上り | 45 | 48 | 47 | 52 | 35 | 37 | 35 | 37 |
洗濯5回後 | 51 | 49 | 37 | 38 | 13 | 12 | 16 | 8 |
処理浴安定性及び薬剤相容性試験
機械攪拌安定性試験
評価方法
- ポリエチレンエマルション 10g/L
- 各薬剤 各g/L
上記水溶液400mlをホモミキサー似て、5,000r.p.m×10分間攪拌後、黒濾紙にて濾過し、濾紙上の残渣により判定。
- ○・・・良好 残渣なし
- △・・・やや良好 残渣少量あり
- ×・・・不良 残渣一面あり
結果
pH | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
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判定 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
ソーダ灰濃度(g/L) | 0.5 | 1.0 | 3.0 | 5.0 |
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判定 | ○ | ○ | ○ | ○ |
芒硝濃度(g/L) | 0.5 | 1.0 | 3.0 | 5.0 |
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判定 | ○ | ○ | ○ | ○ |
pHと温度変化時における安定性試験
評価方法
ポリエチレンエマルション 2%soln.
各温度、各pHにおける安定性を目視にて確認(20分間)。
- ○・・・液状体変化なし
- △・・・若干の分離また白濁、沈殿あり
- ×・・・分離また白濁、沈殿あり
結果
pH | 30℃ | 40℃ | 50℃ | 60℃ | |
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エポノール900 | 4 | ○ | ○ | ○ | ○ |
6 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
7 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
10 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
弊社品800 | 4 | ○ | ○ | ○△ | △ |
7 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
8 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
10 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
他社品H | 4 | ○ | ○ | ○ | ○ |
7 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
8 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
10 | ○ | ○ | ○ | ○ |
薬用相容性
評価方法
- ポリエチレンエマルション 2%soln.
- 各薬剤 各%soln.
浴調整直後と1日後の浴状態について、目視にて判定。
- ○・・・浴状態変化なし
- △・・・若干の分離また白濁、沈殿あり
- ×・・・分離また白濁、沈殿あり
結果
濃度 %soln. |
エボノール900 | 弊社品800 | 他社品H | ||||||
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直後 | 1日後 | 直後 | 1日後 | 直後 | 1日後 | ||||
樹脂加工薬剤 | Sumitex Resin NS-19 | 7 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
Sumitex Accel. X-80 | 2 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
Sumitex Accel. MX | 2 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
Sumitex Accel. ACX | 0.5 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
柔軟剤 | 他社品L-81 | カチオン | 2 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
シリコーランANF-40 | 2 | ○ | ○ | ☓ | ☓ | ☓ | ☓ | ||
シリコーランANF-20 | ノニオン | 2 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
他社品810MF-50 | 2 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
ロイヤルソフトA-60 | アニオン | 2 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
その他各種薬剤 | スノーテックスC(コロイダルシリカ) | アニオン | 2 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
起泡性試験
評価方法
ポリエチレンエマルション 1%soln.
室温(20℃)で、窒素ガスを550cc/分吹き込み、各時間で泡高さを測定した。
結果(mm)
2分 | 4分 | 6分 | 8分 | 10分 | |
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エポノール900 | 95 | 130 | 140 | 160 | 170 |
弊社品800 | 120 | 190 | 210 | 270 | 300以上 |
他社品H | 250 | 300以上 |
各種加工への応用
処理方法
試験布 | ポリエステルデシン |
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処理 | ポリエチレンエマルション 各%soln. 1dip1nip絞り率75% 乾燥100℃×2分 セット160℃×2分 |
ポリエステル繊維への応用
評価方法
浴安定性 | 浴処理調整直後の状態を目視にて観察。 ○・・・浴の変化なく安定 ☓・・・凝集、分離 |
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帯電防止加工 | JIS L-1094 A法 |
結果(%soln.)
エポノール900 | 水処理 | 2.0 | |||
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弊社品800 | 2.0 | ||||
他社品H | 2.0 | ||||
エレタットAK-10 | 1.0 | 1.0 | 1.0 | 1.0 | |
浴安定性 | - | ○ | ○ | ☓ | ☓ |
帯電防止効果(秒) | >60.0 | <1.0 | 1.3 | - | - |
撥水剤併用加工
評価方法
浴安定性 | 処理浴調整直後の状態を目視にて観察。 ○・・・浴の変化なく安定 ☓・・・凝集、分離 |
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撥水性 | JIS L-1079 スプレー缶 |
結果(%soln.)
アサヒガードAG-730 | 水処理 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 |
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エポノール900 | 2 | 2 | ||||||
弊社品800 | 2 | 2 | ||||||
他社品H | 2 | 2 | ||||||
浴安定性 | - | ○ | ○ | ○ | ○ | ☓ | ○ | ☓ |
撥水性(点) | 0 | 100 | 100 | 50 | 80 | - | 70 | - |
ポリエチレンエマルションの熱飛散性
評価方法
各ポリエチレンエマルションの水分を蒸発させ固形分の規格に基いて恒量とし、赤外線水分計FD-230にて加熱し、既発残分を測定(120℃×60分間)。
結果
一般使用法
- 可縫性向上加工0.5~2%soln.
- 引裂強度向上加工 1~2%soln.
樹脂併用加工 1~2%soln. - ニット用糸などオイリング加工
エポノール900 2〜4%o.w.f.
オイリング 2〜4%o.w.f.
3につきましては、別途技術資料をご参照下さい。
水質特性値
エポノール900 1g/Lに対する測定値。
- BOD5 25ppm
- CODMn 135ppm
- n-ヘキサン 40ppm
荷姿
- 17kg 石油缶
- 50kg 樽
ご注意
本製品をお取り扱いされる場合には、必ず製品安全データシート(SDS)をご参照の上、充分に注意してお取り扱い・ご使用下さる様お願い申し上げます。
また、ここに収録しました資料は、細心の注意を払って行った試験に基づくものですが、実際のご使用における条件は多岐にわたりますので、個々の最適処方は御社で充分にご検討下さい。