耐久吸水SR剤 プリシェードSR

ポリエステル布は非常に疎水性の高い素材であり、吸水性やSR性等の向上が要望されています。

プリシェードSRは弊社研究所にて鋭意研究開発いたしました特殊親水性高分子化合物であり、ポリエステル等の素材に対し、柔軟性と優れた耐久性のある吸水性、SR性を付与いたします。

一般的性状

外観淡黄色分散液体
イオン性非イオン
pH中性(1%イオン交換水)
固形分約10%
溶解性冷水に易溶

特徴

  1. プリシェードSRをポリエステル布に対し、浸漬処理及び連続処理にて耐久吸水SR性を付与します。
  2. プリシェードSRは染色同浴処理することで、摩擦等諸堅牢度良好な耐久吸水SR性を付与します。
  3. プリシェードSRはポリエステル染色同浴処理後、還元洗浄後もSR性、吸水性を維持します。
    また、還元洗浄後のヒートセットにおいて、摩擦堅牢度の低下が小さいです。
  4. プリシェードSRと当社帯電防止剤エレタットU-52と併用することで、耐久性のある吸水帯電防止効果が得られます。
  5. プリシェードSRは綿に対し、連続処理にて耐久吸水SR性を付与します。
  6. プリシェードSRはアクリル等の素材に対し、連続処理にて耐久性のある柔軟性と吸水性を付与します。
  7. プリシェードSRは他の薬剤との相溶性が良好であります。

性能試験例

浸漬法(染色道同浴処理)での評価

試験布 ポリエステル加工糸織物未染色布(トロピカル)
染料 Dianix Rubine FG-SE 200% 3%o.w.f.
薬剤 ベネラップHG 0.5g/l
酢酸(90%) 0.3cc/l
各吸水SR剤 5%o.w.f.、10%o.w.f.、30%o.w.f.
浴比 1:10 染色 130℃×60分→湯洗→水洗
還元洗浄
薬剤 ビスノールSK 2g/l
ハイドロサルファイト 2g/l
苛性ソーダ(フレーク) 2g/l
浴比 1:10 処理130℃×60分→湯洗→水洗
ヒートセット 170℃×1分

評価項目

耐洗濯性試験 JIS L-0217 103法に準拠(洗濯0回、10回、20回)

吸水性試験 インク上昇法 試験布を2×15cmの大きさに調製し、長辺方向2cmを50%インク水溶液中に浸漬して2分間におけるインクの吸い上げの高さを測定しました。
数値が大きいほど吸水性良好です。
水滴法 試験布上に水滴を1滴(約0.03ml)を静かに滴下し、布が水滴を吸水するまでの時間を測定しました。数値が小さいほど吸水性良好です。
SR性試験 試験布を住友化学法の再汚染防止法に準拠して試験しました。
評価はSICIMUC 20(住化分析センター社製)にて行い、それぞれ試験前を基準として試験後との色差(ΔE値)を測定しました。
数値が小さいほどSR性良好と判定。

摩擦堅牢度試験 JIS L-0849 乾、湿

結果

洗濯回数 インク上昇法(mm) 水滴法(秒) SR性(ΔE値) 摩擦堅牢度
0回 10回 20回 0回 10回 20回 0回 10回 20回 湿
Blank 64 65 65 30.0 30.1 30.3 1.8 1.5 1.6 4 5-4
プリシェードSR 5%o.w.f. 91 80 78 0.9 9.5 9.9 0.9 1.0 1.1 4 5-4
10%o.w.f. 92 86 80 0.8 2.7 7.6 0.5 0.7 0.7 4 5-4
30%o.w.f. 94 86 86 0.6 2.6 2.5 0.3 0.3 0.3 4 5-4
他社品A 5%o.w.f. 87 75 74 1.3 10.4 11.2 0.9 2.3 3.0 4 5-4
10%o.w.f. 93 85 83 1.0 7.2 10.1 0.7 0.8 0.8 4 5-4
30%o.w.f. 93 86 84 0.8 3.4 7.3 0.3 0.4 0.5 4 5-4

連続法での評価

試験条件

試験布 布①:ポリエステル加工糸織物未染色布(トロピカル)-吸水性SR試験用
布②:ポリエステル加工糸織物染色布-摩擦堅牢度試験用
染色条件 ポリエステル加工糸織物未染色布(トロピカル)
染色 染料 Dianix Black BG-FS 8%o.w.f.
薬剤 ベネラップ HG 0.5g/l
酢酸(90%) 0.3cc/l
浴比 1:20 染色 130℃×60分→湯洗→水洗
還元洗浄 薬剤 ビスノールSK 2g/l
ハイドロサルファイト 2g/l
苛性ソーダ(フレーク) 2g/l
浴比 1:20 処理 80℃×20分→湯洗→水洗
薬剤 各吸水SR剤 5%soln.、10%soln.
処理 1dip、1nip 絞り率 80%
乾燥 100℃×2分 セット 160℃×2分

摩擦堅牢度試験 JIS L-0849 乾、湿

評価項目

吸水性試験 インク上昇法、水滴法
SR性試験 試験布を住友化学法の再汚染防止法に準拠して試験しました。
評価はSICIMUC 20(住化分析センター社製)にて行い、それぞれ試験前を基準として試験後との色差(ΔE値)を測定しました。
数値が小さいほどSR性良好と判定。

結果

洗濯回数 布① 布②
インク上昇法(mm) 水滴法(秒) SR性(Wb値) 摩擦堅牢度
0回 10回 20回 0回 10回 20回 0回 10回 20回 湿
Blank 51 50 44 70.6 75.4 76.0 35.1 35.2 35.3 4 4
プリシェードSR 5%soln. 75 70 62 2.0 3.1 4.1 80.2 85.0 88.0 3 3-2
10% soln. 76 74 64 2.8 3.0 4.0 81.2 88.1 88.3 3 2
他社品A 5%soln. 75 66 61 2.0 3.2 8.4 79.9 84.8 87.9 3 3-2
10% soln. 73 75 62 2.4 3.2 4.6 81.0 87.8 88.3 3 2
他社品B 5%soln. 56 55 47 5.6 91.6 115 51.7 69.4 80.9 3 3-2
10% soln. 58 54 53 3.6 77.0 83.1 58.4 79.7 81.9 3 2

耐久帯電防止加工への応用例

試験条件

試験布の調製
試験布 ポリエステル加工糸織物未染色布(トロピカル)
薬剤 各吸水SR剤 各%soln.
エレタットU-52 各%soln.
処理 1dip、1nip 絞り率 80%
乾燥 100℃×2分 セット 160℃×2分

評価項目

試験布の調製
制電性試験 摩擦耐電圧測定 JIS L-1094 B法
吸水性試験 JIS L-1094 A法
半減期測定 インク上昇法、水滴法
摩擦堅牢度試験 JIS L-0849 乾、湿

結果

試験布の調製
B 1 2 3 4 5 6 7 8
プリシェードSR 10.0 1.5 2.5 5.0 10.0
他社品A 10.0 5.0
エレタットU-52 10.0 1.5 2.5 5.0 10.0 5.0
制電性試験 摩擦帯電圧(V) 洗濯0回 8000 100 100 20 100 100 100 100 100
洗濯10回 7000 4000 4000 5000 4000 3000 2000 2000 4000
洗濯20回 7000 4000 4000 5000 4000 3000 2000 2000 4000
半減期(秒) 洗濯0回 >60 <1 <1 <1 <1 <1 <1 <1 <1
洗濯10回 >60 >60 >60 >60 >60 20 10 10 >60
洗濯20回 >60 >60 >60 >60 >60 20 10 10 >60
吸水性試験 インク上昇法(mm) 洗濯0回 51 77 73 33 61 64 66 50 63
洗濯10回 53 75 72 55 58 55 54 47 54
洗濯20回 47 67 63 49 58 53 51 42 52
水滴法(秒) 洗濯0回 >60 1 1 1 1 1 1 1 1
洗濯10回 >60 1 1 >60 5 5 3 3 5
洗濯20回 >60 1 1 >60 5 5 3 3 5
摩擦堅牢度(級) 4 3-2 3-2 3 3-2 3-2 3-2 3-2 3-2
湿 4 2 2 3-2 2 2 2 2 2

性能試験例

pHによる浴安定性

プリシェードSRを10%水溶液に調製し、pH4、6、7、8、10における安定性をホモミキサーにて撹拌前と5,000r.p.m×10分撹拌後を目視にて観察した。
(酸性側:酢酸、アルカリ性側:苛性ソーダにて調製)

pH 4 5 7 8 10
撹拌前
撹拌後

○ :変化なし〜×:浮遊物及び沈殿物あり

一般使用法

浸漬法 プリシェードSR 5~10%o.w.f.
ポリエステル染色同浴処理(130℃×60分)→還元洗浄
連続法 プリシェードSR 5~10%o.w.f.
1dip、1nip 絞り率80~100%
乾燥100℃×2分 セット 160℃×2分

水質測定値

(製品 1g/lに対して)

BOD5 14ppm
CODMn 130ppm
n-ヘキサン 3.4ppm

荷姿・保管方法

荷姿 17kg 石油缶
保管方法 凍結、直射日光を避けるために屋内保管して下さい。
その他 樹脂加工剤、柔軟剤等の併用性に優れていますが、その他薬剤との併用には十分な予備テストをして下さい。

ご注意

本製品をお取り扱いされる場合には、必ず製品安全データシート(SDS)をご参照の上、充分に注意してお取り扱い・ご使用下さる様お願い申し上げます。 また、ここに収録しました資料は、細心の注意を払って行った試験に基づくものですが、実際のご使用における条件は多岐にわたりますので、個々の最適処方は御社で充分にご検討下さい。