タフエース工法

タフエース工法は劣化要因に対し適切な処置を行うために、工法を分類しており、塗布工法グラウト工法に大別されます。それぞれの工法について、施工工程および留意点などを示します。

塗布工法

コンクリート構造物の補修はその環境条件における劣化の種類を十分に把握し、内部までの劣化状況を確認した後、計画を立て適切な処置を行う必要があります。ここでは、基本行程における留意点を示し、タフエース工法(塗付工法)の施工工程例を紹介します。

工法 F

タフエース工法Fは凍害アブレーション摩耗補修のための工法で、接着性の高いモルタルにより、剥落や外部からの水の浸入を抑制する工法です。

工法 LN-1

タフエース工法LN-1は中性化および火災補修のための工法で、コンクリートにタフエースLNを含浸させることでアルカリを回復させ、以降の劣化を抑制する工法です。

工法 LN-2

タフエース工法LN-2は、塩害補修のための工法で、タフエースLNを塗布含浸させることでコンクリート中の塩分を防除し、かつ、鉄筋の不動態皮膜を再形成させ、以降の発錆を抑制させる効果があります。

工法 LN-3

タフエース工法LN-3は、アル骨補修のための工法で、シリカ骨材のゲル生成量を減少させ、膨張によるコンクリート破壊を抑制する効果があります。

タフエースLNの機能と塗布量の算出方法

塩害の場合

タフエースLNの主成分である亜硝酸リチウム(LiNO2)の亜硝酸イオン(NO2-)とコンクリート中に含まれる塩素イオン(Cl-)のモル比が1.0 (NO2-/Cl-=1.0)となるようにします。算出式を示します。

  • a=0.0746b×c
  • 0.20:タフエースLNの固形分濃度
  • 53:亜硝酸リチウム(LiNO2)の分子量
  • 35.5:塩素(Cl-)の分子量
  • a:タフエースLNの目標含浸量kg/m2
  • b:塩化物イオン量 kg/m3
  • c:主筋内面までの距離cm

目標塗布量(含浸量)の算出に必要な項目は、コンクリート中に含まれる塩素イオン量と、コンクリート表面から鉄筋の内面までの距離です。

アルカリ骨材反応の場合

タフエースLNの主成分である亜硝酸リチウム(LiNO2)のリチウムイオン(Li+)が反応性骨材のゲル生成を抑制します。タフエース工法では、Li+とR+のモル比を1.0とし、必要量を求めます。
ここに全アルカリ量R2O=Zkg/m2、R=Naとすると、R2Oのコンクリート中のモル数は
2Z/(23×2+16)=0.03226Z
よってLiNO2の必要量は
0.03226Z×53=1.710Zkg/m2
被りがd(cm)の場合のLiNO2の必要量は

1.710Z x d / 100 – 0.0171Zd kg/m2 ————(2)式

となります。

中性化の場合

中性化の場合は塩害と同じ(1)式を用い、過剰な塩分が認められない場合はCl-=0.013%で計算を行い塗布量を算出する。

基本工程における留意点

劣化部の除去

モルタル補修において劣化した部分を残したまま施工を行うと、「砂上の楼閣」のようになり、接着強度の低下、ひびわれの発生など、モルタルの機能を低下させる恐れがあります。よって、ハツリや洗浄などにより劣化部や汚れを除去し、モルタル補修のみでは改善が望めない場合は、施工前に処理を行う必要があります。ここでいう劣化部とは、設計基準強度を満足していないコンクリート部分、過剰に塩分を含んだコンクリート部分、および漏水が認められるコンクリートなどをいいます。

プライマー塗布(タフエースエマルジョン

従来プライマーは接着力を増強させることを目的として、塗布しますが、タフエース工法の場合、下地の吸水調整を主の目的としてタフエースエマルジョン原液を塗布します。下地が乾いた状態のままモルタルを塗付すると、モルタルに含まれる水分が下地に移動するため、所定の調合で練り混ぜられたモルタルの物性を損なう恐れがあります。よって、下地の渇いたのどを潤してあげる必要があります。標準塗布量は300~500g/m2です。逆に下地が十分に含水している場合は、プライマーの浸透が期待できず、塗布することで、塗り付けたモルタルの滑りが懸念されます。この場合は、狭い範囲でエマルジョンの試し塗りを行い、吸水の有無を確認する必要があります。

モルタル練り混ぜ

モルタルの練り混ぜは、ハンドミキサー(マゼラー)、もしくはモルタルミキサーを用います。タフエースエマルジョンを先に投入し、粉体を徐々に加えると練り残しが少なくなります。この際アルミ製の羽根は用いないで下さい。モルタル軟度調整の際にも、タフエースエマルジョンを用い、水は一切用いないで下さい。モルタルの機能を低下させる原因となります。

モルタルの塗布

モルタルの塗布をこて塗りで行う場合、不陸調整はしっかりと行ってください。下地との接着力増強、ピンホールの発生抑制のため、凹凸面への塗布は特に留意してください。タフエースシリーズのモルタルと、他のモルタルの併用は絶対行わないでください。収縮特性の違いから界面に悪影響を及ぼし、ひびわれ、剥落の原因となります。刷毛引きを行う際は、タフエースエマルジョンをご使用ください。

養生

モルタル塗付直後に、急激な乾燥や凍結作用を受けると、硬化不良部分が残りモルタルの脆弱化、ひびわれの原因となります。養生はこれらの不良を避けるために初期の段階で行います。基本的に雨風を避けるためにシートで全面を覆うようにして下さい。凍結の危険がある際は、保温養生など適切な処置を行ってください。

材料の保管

材料を保管する際は、以下の点に留意して下さい。

粉体

  • 高温、直射日光、多湿を避けるために、室内で保管するか、屋外の場合はシートで覆うなどして下さい。また、直接地面に置かないようにして下さい。風化の原因となります。
  • 一度開封した粉体は保管せずに、使いきるようにして下さい。

エマルジョン

  • 高温、氷点下雰囲気での保管は避けて下さい。
  • 一度開栓したエマルジョンはできるだけ早めにご使用下さい。

グラウト工法

グラウト工法とは、グラウトが持つ特性を生かし、大断面補修工事、注入工事、および耐震補強工事などに使用されています。

一般グラウト工事

一般補修、アンカーボルト固定工事、道路橋梁などの据え付け工事、鉄塔基礎、台座工事など

一般グラウト工事における施工方法

練り混ぜ

練り混ぜは、高速回転のグラウトミキサーもしくはハンドミキサーを用い、練りムラが残らないように均一に混ぜます。

型枠

  • 型枠を使用される場合は、漏出が生じないようにしっかりとシールして下さい。
  • 漏れが生じた場合は、速効性のセメントか止水剤などを用いて早急に措置して下さい。
  • 圧力を考慮したアンカーをしっかりと取って下さい。

施工

施工例を図に示します。

  • 施工に先立ち、既設コンクリートの表面および、吸水性の型枠の表面は、十分に吸水させて下さい。
  • 型枠の取り外しは、グラウトモルタルが十分に硬化してから行って下さい。
  • 養生は十分に湿気を与え、極端な乾燥は避けて下さい。
  • ホッパー内、圧送ホース内に、長時間グラウトを留めないようにして下さい。閉塞の原因となります。特にタフエース#40は速効性を有していますので、注意して下さい。

耐震補強工事

柱・梁などの鋼板巻立て工事、耐震壁増設工事、鉄骨ブレース増設工事

各種耐震補強工事における施工方法

耐震補強の鋼板巻き立てにおいては、以下の点に注意して下さい。

型枠

  • 型枠を使用される場合は、漏出が生じないようにしっかりとシールして下さい。
  • 漏れが生じた場合は、速効性のセメントか止水剤などを用いて早急に措置して下さい。
  • 圧力を考慮したアンカーをしっかりととって下さい。

施工

施工例を図にします。

  • 施工に先立ち、既設コンクリートの表面および、吸水性の型枠の表面は、十分に吸水させて下さい。
  • 充填性を考慮し、施工は逆打ち注入で行って下さい。
  • その際に上部に空気抜き口を設けて下さい。
  • 型枠の取り外す場合は、グラウトモルタルが十分に硬化してから行って下さい。
  • 養生は十分に湿気を与え、極端な乾燥は避けて下さい。
  • ホッパー内、圧送ホース内に、長時間グラウトを留めないようにして下さい。閉塞の原因となります。特にタフエース#40は速効性を有していますので、注意して下さい。

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